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KEEN'S
PROCESS

KEENが出来るまでの道のりと
KEENへの想いを綴ったストーリーです。

「初めての経験~コンテスト練習 ~」

シャンプー、シェービングにも受かり、営業でお客様には入れるようになってくると次は待ちに待っていたコンテストです。くしくも、コンテスト練習を始めたのは、日曜日の夜、理容の全国大会がある前の日の晩でした。

全国大会は毎年各都道府県で行われており、このときは九州の佐賀県でした。そして、このコンテストに、現在、三重県で理容室をしている”髪ing”の大先輩が出場するのでした。この先輩は前年、3位になっており(減点がなければ優勝)、今年も優勝候補の一人でした。

次の日の朝、4時に起きて羽田から飛行機で応援しに行くのですが、初めてのコンテスト練習は、夜中の2時頃まで先輩に教えてもらいながら、セットの練習に没頭していました。はるか離れた九州では、明日の全国大会という人生の一大イベントに全身全霊を傾けている先輩と、自分もその思いを共感しつつ、気持ちは佐賀へ・・・

ちなみにこの先輩、とても厳しく、仕事を聞くと簡単には教えてくれません。なぜか!それはまず自分で考え、行動し、その結果において、それがわからなかった時、初めて教えてくれるのです。これは、“何事もまずやって見せてから”“まず教えてから”という受身の教育では、人は自ら行動しないと思うからでした。
昔の職人は“技を盗む”と聞いたことがあります。たしか、帝国ホテルの料理長が、駆け出しのころ、先輩の技を盗むために、お昼を食べていて人がいないとき、こっそりと作ったものを食べ、そこから調味料を分析し、自分で作ったそうです。またある人は、他の人に自分の味を盗まれないために、人がいないときに隠し味を入れていたそうです。こういう風に昔の職人は自ら行動し、自分のちからで 腕を磨くことが、全体の流れだったと思います。

「背中~大きな期待・魔物への挑戦~」

翌日、4時に起き、佐賀に着いた”髪ing”一行は早速、競技会会場に向かいました。すでに競技が始まっており、そこには第一部門に出場中の気持ちの入った先輩の姿がありました。

コンテストでは、心・技・体がそろわなければ勝てないと、後に倉田も言われるのですが・・・この先輩、師匠の田中トシオ先生の姿を見て、育ってきただけあり、コンテストに向かう姿勢、準備、精神力、どれもが完璧でした。競技も終わり、審査を終え、モデルさんが歩いてくると、そこには、人の輪が自然と出きたのでした。そして、先輩のモデルには、一番の大きな輪ができていました。モデルも田中トシオ先生が世界チャンピオンになった時のモデルで、風格もあり、そしてデザイン、完成度がピカイチでした。周りも優勝を確信していました。ただ二人を除いて・・・。
それは先輩本人と師匠の田中トシオ先生でした。

結果が出るまでわからない。この全国大会、過去にもよく魔物がいると言われていました。過去に優勝候補の人がいて2位まで順位が呼ばれ、周りのだれもがその優勝候補が優勝すると思い、名前が呼ばれる前にもう喜んでいるのです。しかしそこには、どん底の結果だけ・・・そうです、優勝は別の人で、結局その優勝候補は敢闘賞にも選ばれなかったのです。おごりとは怖いいもの。優勝するのはあの人だ!優勝するのは自分だ!そう思った瞬間から勝利の女神はそっぽをむいてしまうのです。

過去にも息子さんが同じ業界に入り、コンテストをしていてまだ現役で日本チャンピオンに挑戦し続ける人もいれば、実力的には本当に一番うまいのに、いつも本番では2位や3位で終わってしまう人、簡単には日本一というところにはいけないのです。そういう簡単ではない日本一への道のり。

そして、表彰式がやってきたのでした。その背中は、”髪ing”全員や東京代表の期待を背負い、自分の名前が呼ばれるそのときまで、緩んだ表情、慢心な態度はこれっぽっちもみせてはいませんでした。

「日本チャンピオン~環境がなせる効果~」

晴れやかな天気の中、表彰式がやってきました。全体の総評を述べ、その次に先輩の出場している第一部門からです。このとき、私、倉田は先輩の10メートルくらい後ろの席から結果を見ていました。敢闘賞が呼ばれ、そこには、喜ぶ者、悔しさをあらわしている者、いろいろな人間の感情があふれています。とうとう、第3位京都代表…。第2位愛知代表…。優勝が呼ばれる瞬間、先輩の背中からオーラみたいなものを感じました。司会の「優勝は東京代表・・・」やはり先輩でした。人がひとつのことをやり遂げるのには信念を掲げ、そこにいく努力をし、必ず叶うという思いがなければ、やり遂げることはむずかしいということを学ばせてもらいました。そこには今までの苦労や周りの支え、いろいろな思いが、表彰台の一番上から 涙となって、頬をつたわり、ヒカリに反射して、輝いていました。そのヒカリは、私だけでなく”髪ing”のスタッフみんなの心にも、大きなヒカリを灯すのでした。新しい道しるべとして・・・

私はこの同じ環境で働いていた人が日本一になったことで、環境は、人間形成するうえでとても重要な要素だということを感じました。そこには、技術がうまくなるためにはどうしたらよいか、人間として成長するにはどうしたらいいか、常に考え行動している環境があったからです。だから必ずしも器用でなくても仕事がうまくなれたり、初めからすばらしい人間でなくても、後に人から尊敬される人間になれたり、環境がそれを変え、養い、立派に成長できるのです(いい環境であれば)。私はそのとき、改めてよい環境だと再認識しつつ、佐賀の地をあとにするのでした。

「ハサミ(KEENのシンボルマーク)~大きな財産~」

先輩の優勝により、背中を一層押された倉田は練習会でついにカットのモデルさんを入れることが出来るようになりました。先輩の日々の営業のやり方を見て仕事は盗むもの、という感覚で常にシビアに練習をしていました。練習をしていると、技術だけでなく、いままで使っていた専門学生時代に購入したハサミよりも、さらに良いハサミを・・・と道具にもあくなき追求を求めるのでした。

そしてたどり着いたハサミは素材から従来のものとは違い、まだ未熟な自分でさえもその切れ味に惚れ惚れする感触のものでした。心を奪われた倉田は、恐る恐る、その値段を見てみると、通常のはさみの2~3倍の値段で驚愕しました。その値段は11万5千円!!!分割にしてしまうと金利がつくので、3回払いの金利なしでお願いすることにしました。しかし、倉田はこのときまだ社会人一年目、もちろんお給料はとてもさみしく、このハサミを買った3ヶ月は遊ぶことができない生活を強いられたのでした。しかし、仕事に情熱を燃やす倉田は、これをチャンスととらえ(ポジティブな性格)、休みの日も練習ができる喜びにかえる事ができました。これが、自らのカット技術の研鑽につながったり、後に、大きな財産となり両腕に残るのでした。そして、このハサミがKEENのロゴマークになろうとは、このときは、まだ知る由もなかったのでした。

「カットテスト~一番になれない悔しさ~」

新しいハサミのおかげで練習も順調に進み、カットテストがやってきました。

実は倉田が受けるカットテストはそのときが2回目の試験日でした。1回目のカットテストの時、新人研修で4日間山籠りをしていたから受けられなかったのです。

新人研修は外界からシャットアウトし、この仕事に就くために精神的に気持ちを入れ替える研修です。その研修の講師役で離れていたので、ちょうど1回目の試験日を逃してしまいました。しかし、これからの”髪ing”を背負っていく後輩のためカットテストより後輩指導を選んだのでした。

2ヵ月後、とうとうカットテストがやってきました。同期は確か6~7人受けたのでした。スタイルは国家試験と同じ、古いスタイルで、カットの基本が詰まっているスタイルです。ここで確かな基本がなければ応用が利かないことを知るのです。 意気揚々と試験をうけた倉田は、今までの練習の成果を発揮し、といきたいとところでしたが、現実はかなり困難で、あえなく落ちてしまいました。しかしこのとき、ひとりだけ受かった同期がいました。その子は同期でありながら、半年早く入社したため少し早く仕事が進んでいましたが、同期で1番を掲げる倉田はやるせない気持ちと、悔しさでいっぱいでした。その子はとてもさばさばした女の子でした。

「初めてのカット~人を感動させる~」

2ヶ月後のカットテストの日がやってきました。そのときは、何が何でも受かる!そのことだけで頭の中はいっぱい、メラメラ闘志が湧き立っていました。

ちょうどそのテストの前、よく来ていただくお客様に「今度カットテストがあるんですよ」という話をしました。そのお客様はとても愛想がよく、私達スタッフのことを見ていてくれる方でした。帰り際、「今度カットテスト受かったら、連絡ちょうだいよ、君に切ってもらうから」そんな言葉が返ってきました。まだ、半人前の自分に?頭の中が嬉しさでいっぱいでした。そして、テストを向かえ、気合も十分で受かりました。

夜、遅いのも忘れ、受かった喜びでその人に電話をしました。「○○さん、おかげさまでカットテスト受かりました。ありがとうございました。」
このお客様のおかげで、より一層テストに受かりたい気持ちになり、やる気がおきたから感謝の気持ちでいっぱいでした。返ってきた言葉は「明日は行けるかわからないけど、なるべく近いうちにいくよ」。その人の心くばりに、感動させられました。

カットテストに受かった翌日、いつもと変わらぬ日を過ごしていました。すると夕方、突然、その人が来てくれたのでした。「いや、なんとか来れたよ。じゃあカットしてよ」。時間をやりくりし、自分のためにそこまでしたくれたお客様。そのとき心から人を感動させるとはどういうことか、知り得たと思いました。まだ未熟な自分のカットにも文句も言わず喜んで帰ったあの人の姿が見えなくなるまで、頭を下げて感謝するのでした。